プロアクティブお弁当会

市薬研修会。今月はグラクティブ。
新規作用機序DPP-4阻害による血糖降下剤。
インクレチン(DLP-1およびDIP)の分解を行う蛋白であるDPP-4を阻害することで血糖依存性にインクレチンの活性を促進する。*1
インクレチンの活性が高められることでβ細胞からのインスリン分泌量が増大し、末梢組織ではブドウ糖の取り込みが増加、肝臓から血中への糖の放出は抑制される。
これと同時にα細胞からのグルカゴン分泌は抑制され、肝臓から血中への糖の放出はより強力に抑制される。
インスリンやグルカゴンに対するこれらの作用は「正常に戻す」というニュアンスであり、末梢組織や肝臓に異常量の糖を蓄積するようなものではないとのこと。
腎排泄であるため中等度腎障害患者に慎重投与、透析患者に投与禁忌。
腎障害患者ではAUCが増大するものの、SEリスクが向上するという報告はなく、実際に海外では1/4量に減量はするものの、透析患者にも投与されている。
SEは特になく、プラセボとの有意差なし。
効果発現は服用開始当日から、服用後数時間で認められる。
投与開始後52週にわたり血糖降下作用は持続、体重に対する影響も認められない。
原末が大変苦いため、粉砕や分割は非推奨。光や湿気に対しては安定であり、ODPはnp。

*1:では空腹時高血糖患者では?インスリン分泌状態が維持されるのか?それによって二次無効が生じたりはしないのか?逆に試験管レベルでは膵β細胞保護作用の可能性も示唆されており、臨床的にこの辺りがどうなるかは現在海外で追跡中とのこと。なにぶんまだ国際承認3年目の若い薬なので。