シムビコート弁当会

名鉄ニューグランドホテル
7時からだったけど、仕事終わってからダッシュで行っても若干遅刻。
第1部がβ2刺激薬の薬理学、第2部が気管支喘息COPDにおける吸入指導の重要性とコツ。


第1部は大学でやったことの復習が大半。
聴いてる感じも大学の講義みたいだなーって思ってたら、講師は大学の教授だった(´Д`;)
β2刺激薬は実験室レベルでは気道閉塞とともに強力な抗炎症作用を有するが、臨床レベルでは抗炎症作用はほとんど認められない。
この理由として抗炎症細胞に脱感作が起きるからだという説があるようで。


第2部は一転して実践バリバリ。
まず内服に対する吸入の優位性として局所作用を発現するため投与量がmgオーダーからμgオーダーに減らせること。*1
これによって副作用の発現リスクもさらに小さなものとなる。
喘息治療はPt.のアドヒアランスが治療効果や予後に直接影響する。
初回指導においてリーフレットなどの文書だけ渡して正しく吸入できる人は3割未満、薬物と同梱されている文書をそもそも読んでくれる人はわずかに2割…
吸入技術は時間とともに我流となり効果が低下、検査値も予後も悪化する傾向にある。
このため吸入再指導が重要となるが、薬剤師が1回あたり2分半の指導を繰り返すだけで吸入技術を維持することができるとのこと。
吸入する時のコツの一つが、吸気前にしっかりと息を吐き出すこと。
「お腹がよじれるまで吐いてください」という説明法が印象に残ったよ。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてみせねば、人は動かじ」という山本五十六の言葉が吸入指導にも当てはまると。
実際に患者に実技をやってもらって再始動を行うタイミングは頻回過ぎればうざがられるし、遅くなれば手技が低下するしで、およそ9ヶ月〜1年に1度が適当なよう。
年齢が上がるにつれてアドヒアランスは向上するものの、吸入手技は低下する。
この他にも高齢者の特性として次のようなものがある。

  • 学習能力の低下
  • 行動変容の困難さ→一度我流になるとなかなか戻せない
  • 視力低下→パンフレット等を渡しても読む気になりにくく、眺めて終わる
  • 握力低下→吸入器具の適正な保持が困難
  • 前歯欠損→マウスピースがくわえられない
  • 呼吸機能低下→吸入速度の不足、息止め困難
  • 物を大切にする→使用回数を過ぎても使おうとする
  • 理解と行動の不一致

自力で吸入できない人でも吸入介助で改善することがあるので、家族による援助が望める場合は家族に対する吸入指導も重要。
pMDIとDPIの長所・短所を踏まえた選択も大切。


…シムビコートのシの字も出てこないNice講演でした(゚∀゚)

*1:ってことは原材料費が小さくなるから製薬メーカーにとってもウマー(゚∀゚)?