日経DI11月号読了

nohmin2009-12-16

今年63冊目。薬くさいの36冊目。
今号のDIで特に参考になるのがプレミアム版の薬歴添削教室。
オイラが現段階において理想とする薬歴の一つの形だと思う。
まず最低条件としてDIに掲載された薬歴の中では珍しくPOSが理解・実践されていること。
そして患者個々の病態・生活が意識されており、かつそれにフォーカスされたオーダーメイドの対応がされていること。
さらに処方を評価し、もし必要となった時に医師の補助ができるように備えてあること。
言ってしまえば基本なんだけど、これをきちんと実践できている薬局・薬剤師ってのはほとんどいないと言って間違いないと思う。
あまりにシンプルかつきれいにできているので、今回の記事はじゅる店Mさんにも読んでおいて意識するように伝えておいた。
また年が明けたところからこのレベルの薬歴を目指せるように何らかの手が打てればいいけども…


で、その特集を終えた2ページ後、薬歴レビューには負け組の薬歴が掲載。
ここは滋賀の学会でも発表してたところで、当人たちは「SOAPをベースに改善した新しい記載方法」と胸を張っているが、はっきり言ってこの形式はPOSを理解できずにSOAPから逃げただけにすぎない。*1
2ページ前までの薬歴が素晴らしいだけに、対比されて余計にみじめに見える。
こんな形式発表して全国に恥をさらすくらいならフォーカスチャーティングでも勉強してDARで記載すればすむことなんだ。


もっともオイラとしてはDARはSOAPに内包できると考えているので、やはりSOAPベースの薬歴がいいと思う。
で、最低条件としてPOSが理解できていることと、できれば十文字略語の発想とか、プレミアム版の「疾患ごとに学ぶPOS薬歴管理」に挙げられてたような豊富なチェック項目を基礎知識で持てればいいと思う。
こう思うようになってそろそろ3年が経つんだけど、なかなかその境地は遠いみたいで。
S店なんかは患者さんもたっぷり話していく方が多かったし、一人一人に割ける時間も比較的たくさんあったのでそうした練習がしやすかったんだけど、じゅる店は急ぎの患者さんがS店より多いので、できる限りピンポイントで、より自分の中で洗練しておかないと実地で適用できなくて大変です。
POSがあるレベルまで洗練されれば、今回の勝ち組薬歴くらいの内容はある程度忙しい薬局でも十分ケアできると思うし、それゆえにあの薬歴は理想形の一つと言える。
そう考えると、うちの新人教育がはらむ問題の一部に密接に関連してくるんだけど、それはまた全然関係ない話なのでやめておきます。


ちなみに何日か前のコメント欄で触れたオイラの発言ですが、p.5のイラストの左下「フロアからその理由を厳しく問いただす発言」ってやつがソレです。
はい、分かるわけありませんね(゚∀゚)
一度質問して納得いかないので追加質問を2〜3させてもらったんですが、のれんに腕押し、官僚に税金。
なんの言質も取れませんでした。
一連の質疑応答の後に日経DIの記者さんから「後日お話をうかがうかも」って名刺交換してもらったんだけど、今のところ特に接触はありません(゚∀゚)b

*1:あるいはPOSを理解している人が自社の惨状を少しでも改善したくて導入したという見方もできるが。