P11-162 分包機の清掃効果の確認

テオドール顆粒を1g/包で21包まいたあとカマ、乳糖、重曹、デンプンで1g/包を21包まいて清掃効果をHPLCでみたもの。
Vマス型でも円盤型でも重曹が一番キレイにしてくれたとのこと。
重曹で掃除した場合、n=95でテオフィリン残存量が一回清掃で0.560μg、二回清掃で0.108μg。(各2.5包分の残存量)
清掃回数を増やしていくと、5回目までは増やせば増やすほど清掃効果が増した。
一回の清掃に用いる重曹の量を10g、30g、50gと増やしていくと、多ければ多いほど清掃効果が増した。
結論として10g程度の重曹×2回では清掃効果不十分という考察でした。
これやってたのは東京都薬剤師会衛生試験所と千葉大学の人。
さて問題となるのは、この0.5μgのテオフィリンがいかほどのものかということ。
参考数値として上がっていたのがペットボトル入り緑茶のテオフィリン含量が0.5〜0.9μg/mLであるというもの。
つまりペットボトルの緑茶を一回に250mL飲むとすると、重曹21gで一回清掃した時に一包中に残っていたテオフィリンのおよそ600〜1000倍を摂取することになる。
これ、臨床的に意味がありますか?
私にはどうみても重曹20g×1回で清掃効果は十分すぎるという結果にしか読み取れない。
(これがテオフィリンではなく細胞毒性のある抗癌剤であったとしても、体には何の影響もないと思われる)
この発表は今回のポスター発表で唯一発表者と討論できたので面と向かって言い放ってきたけど、正直一回テオドール量るたびに10g×2回以上の重曹で清掃するという発想は現場から見て非常識極まりない。
どれくらいのテオフィリンが残存したら臨床的に問題となりえるのか再検討して、どこまで重曹の量を減らしても問題がないか実験してもらえませんか、と。
研究室にこもってる人だからしょうがないかもしれないけど、もう少し現場のことを考えた研究をしてほしいよね。
じゃないと全く意味をなさないっす。基礎研究じゃないんだからさ。