【大失敗】生活習慣病管理料【愚痴】

先日書いた卸A社がくれた資料中の「生活習慣病管理料」について。
こいつは平成18年度診療報酬改定で現行制度となった点数で、算定基準は次の通り。

高脂血症*1、高血圧症、糖尿病を主病とする入院外の患者に対して、治療計画を策定し、それに基づいて生活習慣に関する総合的な指導と治療管理を行った場合に月1回に限り算定。所定の点数には、指導管理等、検査、投薬、注射の費用は含まれる。

  • 高脂血症: 900/1460点
  • 高血圧症: 950/1310点
  • 糖尿病:1050/1560点

院外処方箋を交付する場合/しない場合)

で、第112回中央社会保険医療協議会議事録によると、本点数の算定を行っている病院が14.1%、診療所で6.9%と、ほとんど算定されていない。
算定を行わない理由として最も大きいのは「点数の設定が高く、患者の負担増につながるから」が53.4%。
ついで「自施設単独での対応が難しかったから」14.3%、「療養計画書を作成することが手間だから」13.2%となっています。
確かにこの点数は高い、高すぎると思いますよ。
保険点数1点は=¥10円ですから、仮に糖尿病の指導を受けて本点数を算定され、院内処方を受けたとすると、3割負担の患者だと¥4680ですよ?
一方、検査や注射もまるめになっているので、下手にHOMA−R調べたり血管造影したりすると、今度は病院側が赤字になるんじゃないか?
一体誰がこんな点数設定で喜ぶのか疑問がわくことこの上ないです。
また、高脂血症、高血圧、糖尿病の点数順が院内、院外で変わるのも不思議。
院内と院外の点数の差も、薬が一番安そうな高脂血症で最も大きく、一番高そうな高血圧で最も小さいのも疑問。
もうね、あっちもこっちも疑問だらけ。
ちなみに本点数を算定した患者の満足度は「高い」「やや高い」をあわせて72.2%*2とのこと。
自信たっぷりで結構なことですが、算定した医療機関の平均診察時間は13.4分、その後療養計画書作成に要する時間は初回用で19.3分、継続用で11.3分とのこと。
30分前後の指導に¥4000強、ほんとにそんな価値あるの?
うちら薬剤師が服薬指導加算*3を取ったら22点、3割負担で¥60よ?
どんなにたいしたことない服薬指導加算でも、指導と薬歴記載で5分、多くの場合10分以上はかかるよ?
30分かけて3〜4件算定したとしても¥200よ?
いくら諸費用がまるめになっているとはいっても病院様の医療行為はうちらの医療行為の20倍もの価値があるですか、そうですか。
βακα役人どもはもう少しまともな点数設定ができないものかな…。
それともこれこそが医師会と薬剤師会の影響力の違いなのかな…。

*1:制定当時。現在は脂質異常症と呼ぶことになりつつある。

*2:算定した医療機関側の評価であることに注意。

*3:保険薬剤師が患者または家族等との対話により情報収集するとともに、薬剤服用歴の記録に基づき、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬指導を行った場合に算定。