ピーガード

今日は老人ホームの調剤でズタボロになった後で、今度採用になったピーガードの勉強会。
PatientをPainからGuardするからピーガードなんだとか。


ピーガードは1×投与でOKの徐放性麻薬。
DCV*1徐放化機構の外膜の中に速放性のモルヒネが封入されているため、かまずに服用する。
また、同機構のために胃内を脂溶性にしてしまう高脂肪食は本剤の吸収を遅延するため食前1時間〜食後2時間は服用を避けることが必要であり、田辺さんとしては眠前投与を推奨するとのこと。
半減期が約27時間にも及んでいることからピーク濃度とトラフ濃度の変動が少なく、安定した鎮痛作用を発現することがウリ。


副作用や使用上の注意は従来のモルヒネと同様。
オピオイドローテーションにより他のモルヒネ製剤から切り替えるときは前投薬のモルヒネの次回服用時間にピーガードを服用すればOKであり、簡単。
また、前投薬がデュロテップパッチの場合ははがしてから10hrくらいでピーガードを服用開始すればよいとのこと。
糞便中にゴーストピルが排泄されることも説明が必要か。


なお今回うちの採用にはならなかったが、ピーガードには子供の誤飲を防ぐチャイルドプルーフと呼ばれる機構を備えたPTPもあるが、とっても錠剤を取り出しにくい印象をもった。
この点について田辺のMRさんに尋ねると、手に障害がない限りは「慣れれば何とかなる(゜д゜)」との回答をいただきました。

*1:DCV:Diffusion Controlled Vesicle
  主薬を含む速放性の錠剤に、水溶性微粒子を分散させた水不溶性高分子をコーティングすることで消化管内でpH非依存性に徐放性を実現している。