小児呼吸器感染症における抗菌薬の選択

基本的にDr.向けの勉強会だからということもあるけれど、前半はあまりにも臨床的な内容過ぎて*1ちょっと眠かった。
とりあえず抗菌薬は、主訴から原因菌の頻度を参照にして薬剤感受性、投与期間、検査所見、抗菌薬の体内動態及び副作用を勘案して決定するとのこと。
近年は広範囲に抗菌スペクトルを持つセフェム系が多用されているが、このことが耐性菌の急激な増加を招いているとして、βラクタム系を基本にするのがよいのではないか、とおっしゃっていた。
例えば上気道炎にはAMPC*2を基本としてβラクタマーゼ産生菌にはユナシンやオーグメンチンなどを3〜4日間用いる。
中耳炎であればAMPC、CEP*3を基本として耐性菌にはペネム系を用いる。
これが気管支炎や肺炎であれば同じくAMPCを基本とするが、投与期間はもう少し長めの7〜14日間とする。
また、PC*4やCEPが無効な場合はML*5やTC*6に変更するのが良いように思う、とのことでした。


また抗生剤のSEといえば下痢ですが、下痢の起きやすい抗生剤の特徴としては「吸収が悪い」「代謝されにくい」「胆汁排泄が多い」「抗菌力が強い」「尿中回収率が低い」などがあり、下痢を起こしやすい生態側の条件としては「2歳以下」「経口摂取状態が悪い」を挙げていらっしゃいました。


おまけですが、小児用抗生剤の散剤のお味をランキングしてました。
おいしいのはダントツでセフゾン
ごくまれに甘すぎて飲めない子がいるらしいですが。
まあまあなのはケフラールサワシリンなど。
イマイチなのがユナシン、バナン、メイアクト、フロモックス、ファロム。
明治製薬の勉強会でメイアクトにダメ出しする講師さんが素敵。
で、最下位にランクされたのがクラリスやリカマイシンなどのMLsでした。

*1:レントゲン画像をバンとみせられて「ご覧のように」とか言われても判読できんです‗| ̄|○

*2:Amoxiciline

*3:Cephalosporins

*4:Penicillins

*5:Macrolides

*6:Tetracyclines