妊娠期

今日も薬局7月号のまとめ。
色々あるので箇条書き形式で。

  • 近年、2500g未満の低体重児の出生が増加*1しており、原因には過度のダイエットや女性の喫煙率の増加*2がある。
  • 新生児の神経管閉鎖障害を予防するために、妊婦は葉酸欠乏症に陥らないように注意する。葉酸は1日0.4mg*3を目安とするが、医師の管理下にある場合を除いて1日1mgを超えるべきではない。
  • 新生児麻疹予防のためにあらかじめ麻疹ワクチンを接種しておくのが望ましいが、妊婦には麻疹ワクチンのような生ワクチンは禁忌であるため、妊娠前に接種しておく。
  • 妊婦の喫煙(受動喫煙を含む)は低体重児の出生、自然流産のリスクを高め、産後の喫煙は乳幼児突然死症候群やアレルギー疾患などと関連が報告されている。*4
  • 妊婦の飲酒は子どもの胎児性アルコール症候群と呼ばれる、成長遅滞、中枢神経系障害、顔面形成不全という3つの異常をもたらし、その重大度はサリドマイド以上で、胎盤を瞬時に通過し、妊娠全期間にわたり胎児に直接影響する。
  • 妊娠は最終月経の開始日を0週0日目とカウントするため、予定月経を過ぎても次の月経が来ないという次点で既に妊娠5週目以降になっている。日本では28日周期を基準として考えた10周期、280日目が予定日となる。これに超音波断層法などによって退治の発育状況などを観察して予定日を修正する。現在では予定日の誤差は1週間以内となっている。
  • つわりが強く食事が困難になる場合、好きなものを食べられるときに食べることや、そうめんなど食べやすいものを工夫する。つわりがなくなった後、急に食欲が出て体重増加することがあるので注意。
  • 妊娠中毒*5は妊娠28週以降に起こるケースが多い。
  • 妊婦はカルシウム不足に陥りやすいため乳製品や小魚などを普段より多めに取るように心がける。このためカルシウム剤が処方されることがあるが、副作用として便秘を併発することがあるため、繊維質の多い食品の摂取と程度な運動を心がける。
  • 妊娠3ヶ月を過ぎると胎児の重要な器官の形成が終わり、催奇形性のリスクは小さくなるが、無ではないので注意。NSAIDsやACE阻害剤は妊婦に禁忌。
  • 全夫婦の約10%が不妊*6であるといわれ、その原因としては男性側と女性側がほぼ1:1である。1998年、日本の全出産の1/129は体外受精児であると厚生省(当時)が発表している。
  • 不妊の薬物治療にはクロミフェン療法とゴナドトロピン、hMG-hCG療法があるが、無効の場合は体外受精の適応となる。体外受精には1回数十万円の治療費を負担しなくてはならないが、国と都道府県などから一部を助成してもらえることがある。

*1:1992年は全体の6.7%だったのが2003年には9.1%となっている

*2:だからいい加減にタバコも麻薬みたいに取り締まれよ。常習性もあって健康被害もあって。周囲に直接害がある分だけ麻薬よりタチ悪い。税収がほしければ麻薬を高い税率掛けて解禁しる。

*3:葉酸は熱に弱く、調理による損失は50%近くに上る。また、水溶性のためゆで汁に溶出してしまう。ほうれん草なら1束30gで0.063mg、納豆50gで0.13mg、鶏レバー10gで0.13mg、いちご6〜7個で0.09mgの葉酸が摂取できる、らしい。

*4:だから家の外では一切喫煙するな、障害犯どもめ。

*5:高血圧、むくみ、蛋白尿など

*6:避妊しない性交渉がありながら妊娠しない期間が12カ月以上ある場合。