今日の処方

タケプロンOD(15)  1錠
  1×N 朝食後    90日分


患者が飲んで大丈夫か、うんぬんよりもむしろレセのお話。
薬剤師の人々は自分なりに考えてから続きをポチッと。


タケプロンの添付文書*1を見てみると、【用法・用量】の項に以下のような記載があるのに気づきます。

(前略)
通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。
(中略)
再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回15mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1日1回30mgを経口投与することができる。
(後略)

結論をまず述べてしまうと、上記処方はレセで返戻されません。
そのためのキーワードとしては私の解釈では「通常」の一言。
これが「適宜増減」と同じ魔法の言葉で、「通常」でない患者の場合8週を超えて投与してもいいのではないか、と解釈したのです。
しかし、店長氏いわくそうではないらしい。
上記処方が返戻されないのは以下の理由によるとのこと。

調剤薬局では病院と違ってカルテがないため、疑義照会によって医師に確認した場合を除いては原則的に患者の病名を正確に知ることはできない。*2
つまり薬局からレセプトとして提出される書類には病名の記載がないわけで、たとえ胃潰瘍患者に上記処方が出たとしても、「逆流性食堂炎の維持療法である」として処理すれば保険上問題はなく、したがって返戻もされない。

*1:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2329023F1020_1_03/

*2:患者本人に確認することもできるが、これが真実である保証はない。一つは患者の理解不足や思い込みがあり、もう一つには患者に真実が告知がされていない場合(胃がん胃潰瘍と伝えてあったり)がある。