婦人科でバイアスピリン
30歳くらいの女性、産婦人科
併用薬(-)
Rp1)バイアスピリン錠 100mg 1錠
1日1回 朝食後 14日分
高体温期に服用
さて、この患者の疾患名とバイアスピリンの使用目的は?
Ans. 不育症*1
不育症の原因としては以下の様なものがある。
- 内分泌異常
- 子宮異常
- 染色体異常
- 感染症
- 免疫的異常
- その他
- 原因不明
このうち免疫的異常は大きく分けて、抗リン脂質抗体などの自己抗体が陽性の場合と同種免疫異常と呼ばれる場合とに分けられる。
後者の場合は父親の一部を含む胎児を異物とみなして排除してしまうため、夫のリンパ球を移植するなどしてこの免疫反応を抑制するなどといった治療法が取られる。
この患者の場合は前者の自己抗体反応があり、胎盤で血栓が形成され、胎児の循環障害から流産が起こる。
このためアスピリンなどを服用することで血栓形成を抑制する。
低体温期に服用しないのは妊娠している可能性がないため。
*1:自然に妊娠することができるのに、胎児が育たずに流産や早産になってしまう疾患。習慣性流産とほぼ同義。