久々の症例紹介

nohmin2005-05-17

70代男性
循環器内科を継続受診中
BP120〜130で安定
ペースメーカー使用中
肺の部分切除既往

Rp1)マーズレンS顆粒      2g*1
   ガスモチン錠5mg      3T*2
    1日3回 毎食後  56日分
Rp2)バイアスピリン錠100mg  1T*3
   パリエット錠10mg      1T*4
    1日1回 夕食後  56日分
Rp3)イソジンガーグル      180mL
    1日3回 うがいをして下さい。
Rp4)オルメテック錠20mg     0.5T*5
    1日1回 朝食後  56日分

本日より初めてオルメテックが追加。
さて、オルメテックはなんのために処方されたか?


Ans. 心筋炎予防のため。*6
AT1ブロッカーによる腎保護作用は常識として、心保護作用もよく知られているところ。
AT1ブロッカーは、LIFE試験において心血管疾患死、脳卒中心筋梗塞、左室肥大に対する抑制効果が、そしてELITE-Ⅱ試験において心不全に対する治療効果も優れている*7ことが報告されている。
ザッと探した感じではAT1ブロッカーが心筋炎を予防するという報告は見つけられなかったのですが、心不全を治療することで心臓の抵抗力を保持し、心筋炎の発症を間接的に予防することになるんでしょうか。
この辺のことがお分かりの方がいらしたら教えていただきたく思います。

*1:アズレンスルホン酸+L−グルタミン。胃粘膜保護剤。

*2:一般名クエン酸モサプリド。セロトニン5-HT4アゴニスト。消化管運動を促進して胃炎に伴う消化器症状(悪心、嘔吐など)を改善する。

*3:抗血小板剤。いわゆる血液をサラサラにする薬。

*4:一般名ラベプラゾール。PPI。胃酸の過剰分泌を抑えて胃潰瘍の治療などに用いる。

*5:一般名オルメサルタン。AT1ブロッカー。いわゆる血圧を下げる薬。

*6:疑義照会により処方医に直接確認済み。

*7:AT1ブロッカーは動脈と静脈を拡張させ、腎臓の水分排泄を促進し、心臓にかかる負担を減らす。また、心臓と血管の壁に直接有益な作用をもたらす可能性もある。