痛風とにぅろたんとイヤホンと牛乳

業務終了後、C島先生による痛風の勉強会。
ざっと内容をまとめとく。

  • 男女比は20:1で圧倒的に男性に多く発症する。
  • 30代など若い年代で痛風になると、腎不全になることが多い。
  • 男女、年齢の別なく尿酸値7.0mg/dL以上の場合高尿酸血症と診断する。
  • 同じく8.0mg/dL以上では腎検査を行う。
  • 同じく9.0mg/dL以上では痛風発作の経験がなくても薬物治療によって尿酸値を下げる。
  • 痛風には尿酸排泄低下型と尿酸生成過剰型があり、きちんと病型分類*1を行い、それぞれに適した薬物を用いる必要がある。
  • 尿酸排泄低下型に尿酸生成抑制剤(アロプリノール*2)を投与すると、アロプリノールの活性代謝物であるオキシプリノールの血中濃度が増加し、肝障害などの副作用を発症することがある。
  • 尿酸生成過剰型に尿酸排泄促進剤*3を使うと尿中への尿酸排泄量が増え、尿路結石や血尿の発生頻度が増加する。
  • 高尿酸血症が長く続いている場合に、尿酸値が一過性に低下した場合にも痛風発作が起こる。これは体液中と組織の尿酸濃度に濃度勾配が生じ、組織からの尿酸結晶の遊離が促進されるためである。痛風患者に尿酸コントロール剤の投与を開始してしばらくの間に痛風発作が起こりやすいのはこの理由による。
  • 温度が下がると尿酸の溶解度が低下し結晶ができやすくなるため、発作がおきやすい。
  • 耳の上半分は下半分より温度が低いので、耳の上半分に痛風発作がおきやすい。さらに、これは機械的な刺激によってできやすいので、帽子をかぶる習慣のある人に耳の痛風結節ができやすい。
  • 個人差もあるが、ニューロタン*41錠はザイロリック1錠に匹敵する尿酸値低下を示す。
  • 尿をアルカリ化する*5食品としてはヒジキ、わかめ、昆布などがある。
  • 逆に、尿を酸性化するものとしては卵、豚肉、サバ、牛乳など。
  • お酒は清酒1合/日、ビール中ビン1本/日、ウィスキー3分の1合/日以内に抑えておくのがよい。*6


興味深い点としてはニューロタンの尿酸値低下作用や耳の痛風結節、尿を酸性化する食べ物でしょうか。
まずニューロタンですが、ニューロタン以外のAT1ブロッカーにはそのような作用はないそうで。
帽子での刺激がダメならイヤホンなんかもダメなのかしらん。
そして卵は毎日1個以上食べてるし牛乳も毎日400mLくらいは飲んでるんだけど、もう少し控えたほうがいいかしらん(;´Д`)

*1:尿中尿酸/クレアチニン比≧0.5では尿酸生成過剰型が多い。それ以下では尿酸排泄低下型が多い。

*2:製品名ザイロリックなど

*3:ユリノームなど

*4:降圧剤。AT1受容体拮抗薬。一般名ロサルタンK。

*5:痛風発作を予防する

*6:アルコールの多飲は肝臓での尿酸合成を高める。