リウマチ薬、副作用死

愛知県豊橋市豊橋市民病院で昨年6月、関節リウマチ症の治療を受けた同市内の女性(63)が、治療薬による副作用見落としが原因で死亡していたことが7日分かった。市は医療過誤を認め、遺族に3100万円の損害賠償をすることで仮示談した。


市民病院の説明によると、女性は01年1月に同病院に転院しリウマチの通院治療を開始した。最初に使った薬の効果がなかったため、主治医(36)は02年5月から別の抗リウマチ薬を1日1錠投与、03年3月14日から1日2錠に増やした。


同4月17日の血液検査で、副作用とみられる血球減少が認められたが、主治医が投与を続けた結果、5月8日に血液中の白血球や赤血球が減少して入院。再生不良性貧血を起こし、肺炎、敗血症を併発して6月12日に死亡したという。


同病院は「抗リウマチ薬は血液を管理しながら投与しなければいけないが、主治医が副作用を示すデータを見落とし、1日2錠を投与し続けたことが主因とみられる」とミスを認めている。


投与された薬は、免疫反応を抑えて関節リウマチの症状をやわらげる作用がある。しかし、すべての血球が減る副作用が出ることがあるため、投与中は月1回血液検査をして、異常があれば直ちに中止する必要があるとされる。投与開始前に血液検査をし、血液障害のある患者や骨髄機能が低下している患者には投与しないことになっている。


引用元:平成16年6月8日朝日新聞朝刊


さて通常のニュースと違う点。
原因薬の名前が報道されてないなヽ(`Д´)ノ
ということで限られた情報から見当をつけてみる。
「今日の治療薬2003(南江堂)」及び「今日の治療指針2004(医学書院)」によると、リウマチに適応のある錠剤で免疫抑制作用を有し、副作用として血液異常があり、なおかつ1日の服用量が1〜2錠の範囲にある薬剤というとリマチル及びリドーラしか該当しない。ちょうどリマチルの添付文書が手元にあったので調べてみると、確かに投与前及び投与中は月1回血液及び尿検査を行うよう指示されている。特に白血球数及び血小板数においてはそれぞれ「1立方㎜あたり3000及び10万個未満の時は投与中止」と明確に値が記載されている。

主治医にも確かに責任はあるのだろうが、それよりも同病院の病院薬剤師は何をしていたのだろうか。N市大病院での実習で見た限りでは、病院薬剤師が病棟業務を行う場合、当該患者の検査値などには目を通すことになっていた。そしてこの3000及び10万という値はリマチル特有の値ではなく、一般に顆粒球減少といわれる異常値のラインである。いかに病院薬剤師の発言権が多分に制限されているとはいえ、これでは薬剤師の存在価値が云々言われてもしょうがない。

…などと、起きてしまった事件についてどうこういうのはとても簡単ですね。
現在の僕のあやふやかつ非常にわずかしかない知識で、こういった事故を未然に防げるかというと…
ごめんなさい_| ̄|○