過誤った!?

オルメテック(20)、アクトス(15)、ワーファリン(1)、クレストール(2.5)、メデット(250)を56日分ODPしている患者さんのDo処方を投薬。
Pt「前回はピンクの薬が入っていたけど今回はなくなったの?」
え?ピンクの薬?そんなものは出てないぞ!?過誤ったか!?
そのピンクの錠剤が入ったODPを患者さんが持っていたので実物を見せてもらった。
フルイトランばりのどピンクの錠剤が確かに入っているが、刻印からピンクの錠剤は明らかにメデットだと判明。
メデットの添付文書を見てみたら、そういえば昔見たことのある一文を発見。

本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。
〔一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。〕

まさかこんなに鮮やかなピンクになるとは思わなかったです。
とりあえず薬に変更はないことと、薬効に問題はない*1ことを説明し、引き続き服用してもらうよう説明。
いやー、マジで一瞬ドン引きしたわ。

*1:トーアエイヨーから写真と反応式つき公式文書出てます。
http://www.toaeiyo.co.jp/iryou_kankeisya/haigouhenka/0708med_haigouhenka_shikenkekka.pdf

ロゼレムお勉強会

私は以前地区薬の勉強会で聞いたんですが、獅子丸先生がやりたいというので勉強会を開催。
勉強用の70ページほどの冊子まで提供していただいて、武田のお姉さまには感謝感謝(-人-)


さてロゼレム。
メラトニン受容体アゴニストである新規作用機序睡眠薬
バラ色の夢が見られるようにとのことでRoseなREM睡眠→RoseREM→ロゼレムです。
そしてね「むれ」ない夜を「ゼロ」にしたい→ムレゼロ→逆から読んでロゼレムです。
覚えましたか?
はい、勉強会終了!
ってわけにはいかないのでいくつか箇条書きに。
現在日本人のおよそ20%がなんらかの睡眠障害を持っていると言われているが、そのうち睡眠薬を服用しているのはおよそ1/5。
武田としては効果もマイルドだが副作用がほとんどないロゼレムを使ってその辺りの市場を開拓したい模様。
覚醒リズムをつかさどるセロトニンノルアドレナリン系と睡眠リズムをつかさどるメラトニンコルチゾール系のバランスが覚醒方向に傾くと睡眠障害を引き起こしやすくなるため、メラトニン受容体を刺激して睡眠状況を改善しようというのがロゼレムのコンセプト。
これまでの睡眠薬はBZ、非BZともGABA受容体に作用することで、いわゆる「疲れたから眠くなる」恒常性維持機構に働きかけるものでした。
一方でこのラメルテオン(ロゼレム)は「夜になったから眠くなる」体内時計機構に働きかけることで、睡眠/覚醒リズムを正常化し、睡眠障害を改善していきます。
生活リズムを整えることを主眼としているため必然その効果発現には時間がかかり、およそ1ヶ月を要する*1とのこと。
逆に、これまでの眠剤とは異なり服用を突然中止しても反跳不眠が発生しないため、眠れるようになったらスパッとやめればよいとのこと。
また、承認用量の20倍を服用し続けても依存性を生じないため、上述のようにスパッとやめる際の精神的依存の問題も少ないようです。
余談ですが、アルツハイマー病患者において脳内メラトニン量が減少していることが認められており、これが深夜徘徊などに影響を与えているのではとの仮説があるらしく、ロゼレムをアルツハイマー病患者に適用すると深夜徘徊等に好影響を与えるかも、と武田としては期待しているのだそう。*2

*1:海外では飛行機による時差ボケに頓用するケースもあるとのこと

*2:まだエビデンスはなし