ジャヌビアお勉強会
先日のグラクティブは市薬主催、本日はうちの薬局でのお勉強会ですよ。
- Januvia=Janu(Janus=始まりの神)+via(道)でDM治療の新しい道を切り開く薬剤の意味。日本には「ジャ」から始まる薬がほとんどない*1のも類似名称〜にひっかからなくて吉。
- ご存知新規作用機序、DPP-4阻害剤。HTにおけるARBのようなブロックバスターになるかもしれないと言われているとか。
- インクレチン不活化酵素DPP-4を高選択的に阻害し、インクレチンの活性状態を保持、β細胞においてはインスリン分泌を促進し、α細胞においてはグルカゴンの分泌を抑制することで血糖値を低下させる。
- インクレチンは血糖依存的に分泌され、FBS<100ではむしろ血糖値を上昇させる調整機能を有している。
- インクレチンの作用は血糖依存というよりむしろ食事依存で発現するため、随時高血糖だからといってインスリン分泌を刺激しっぱなしということにはならない→ジャヌビアはβ細胞疲弊による二次無効は起こらないと考えられる
- インクレチンは膵臓のみならず全身に存在し、例えば脳内ではDLP-1によって食欲抑制作用が示されることが分かっている。*2
- DMマウスにおいてβ細胞のturn overを促進し、むしろβ細胞保護作用が期待される。
- 腎排泄型薬剤であり、中等度以上の腎障害患者には減量して投与、透析患者には禁忌。*3
- ODPは可だが粉砕はデータがないため△。酸やアルカリに対する反応もデータなし。構造式を見る限り酸にもアルカリにも安定っぽいけどな。一ヶ所だけあるアミノ基が酸と反応するかも。
- 100mg/day投与時は基本的に1×だが、半減期が12hrであるため2×でも効果に影響はなさそう。保険は△だが、多分大丈夫とのこと。
- 単回投与でもインクレチン活性化保持作用は1日続くとのこと。血中濃度に完全に依存した作用ではないようだけど…ここのところは返答があいまいだったな。
- 適応ではSU剤、BG剤、チアゾリジン系剤との併用のみ認可。α‐GIとの併用は現在Phase5、グリニド系も機序的には問題ないとのこと。このことについて「併用制限はしない」と社保の方からお声をいただいたという説もあるが、あくまで審査する人次第。